「本物を見る」の記事でテクニックと創造性があってはじめて本物の音楽である、というような主張を書きましたが実はこれ半分正解で半分間違いだと思っています。例えば必ずしもテクニックがなくても素晴らしい音楽はあるのではないか?そういった点を今回はお話ししようと思います。ただし、味がある演奏だとか深みがある演奏、などのような観点ではありません。
世の中に溢れている大衆音楽であるポップスやロックなどはハッキリいいますがテクニックをはじめとした音楽的素養はあまりないものが多いです。具体的には音感、リズム感、楽器(ボーカルなら声)を自在に操るテクニックです。
より具体的な例を挙げると、音感とは鳴っているコードの種類(マイナー、メジャー、セブンス、ディミニッシュ等)を聞いて判別できるか。単音なら基準となる音程からの度数を判別できるか。
リズムは、メトロノームがなくてもレコーディングできるくらいにテンポキープできるか。ポリリズムや変拍子対応できるか、それらを自分で演奏できるか、またそれを即興時でも同じようにできるか。
テクニック面ではテンポ200で16分のフレーズが弾けるか。各楽器の固有のテクニックを全てマスターしているか。
まだあります、音楽理論や音楽史、楽器の特徴などの最低限の音楽知識を有しているか。
ざっと挙げましたがまだまだあると思います。大衆音楽、例えばメディアによく出ているヒットチャートを賑わせているミュージシャンでこれらの音楽的素養を完璧にクリアしたている人はほぼいないと思われます。
ただ、ここで言いたいのはそれがダメだということではなく、それらの音楽的素養が完璧ではなくても、たくさんの人から支持されているミュージシャンがたしかに存在していて、それはなぜかというと上に挙げた音楽的素養とは別の部分が圧倒的に秀でているためなんです。
それは何かというと僕は「人間力」だと思っています。人を惹きつける力、とでも言うのでしょうか。カリスマ性と似ていますが若干ニュアンスが違うのでここでは人間力と呼んでいます。これについてはまた別の記事で詳しく書きたいと思っていますので、近いうちにアップしますね。
コメント