「リズム感が悪い…」と悩んでいる人へ リズム感を良くするために知っておくと効果的なこと

目次

何故リズム感が良くなりたいか、どんなリズムを演奏したいかを理解すること

目的を明確にする

何かを成す場合、目的がないとそこへは辿り着けません。例えばお金持ちになりたい時に「何故お金が欲しいのか」「お金を使って何かやりたいことがあるのか」を答えられないと具体的な道筋が建てられません。リズム感の場合も同じで「何故リズム感がよくなりたいのか」「どんなリズム感を得たいのか」「どんな演奏をしたいのか」を明確にすることが一番大事です。

手段が目的にならないように

「リズム感が良くなる」というのはあくまで手段ですが、ではその目的は何なのでしょうか??…それは結局のところ「良い音楽を演奏する」ということですよね。そして良い音楽の定義は人それぞれ違います、でもだからこそ面白いのが音楽。あなたにとっての良い音楽はなんですか?大好きなアーティストや曲ならいくらでも挙げられると思いますがそれで良いんです。あとはその大好きな音楽のリズムをイメージして目的にしましょう!目的が決まれば進むだけです。

さて、次からは具体的にリズムを向上させるための具体的な要素を説明していきます。

自立すること

ドラムやベースにおんぶに抱っこの罠

これはある程度弾ける人がハマっている罠なのですが、バンドや音源で一緒に合わせて弾くと弾けるけど一人になると弾けない状態です。わかりやすく言うとバンドで弾いているギターソロや、単音フレーズを「あなた一人だけの状態で弾けますか?」ということなんです。なかなか難しいですよね?これはリズム感をドラムやベースなどの楽器に頼っている状態になります。

自立した状態とは

他のメンバーに頼ることはもちろん悪ではないのですが、やはり演奏に現れてしまいます。一番カッコいい状態とは、メンバーそれぞれが一人になったとしても演奏を続けていられる自立した状態であることなんですね。少なくとも筆者の周りの一流ミュージシャンはそのような人たちばかりでした。

どうすれば自立することが出来る?

ソロギターなどをやってみるのも良いかもしれません。弾き語りだとコードストロークが多くなりリズムキープなどが容易であまり練習にならないので、その場合は単音弾きを混ぜたりすると効果的です。何にしろ、他の人に頼れない状態でギターを弾くことにトライしてみましょう。

メトロノームの必要性がわかってくる

なんとなくじゃないメトロノームの存在意義

「先生にメトロノームが大事って言われたから」「教則本に書いてたから」と言う感じでなんとなくメトロノームを使っていませんか? 先ほど述べた自立するということを考えると、音を止めた部分(休符)をきっちりと感じることや、テンポキープの大事さがわかってくると思います。そのためにはメトロノームを使うことが効果的になってくるんですね。

メトロノームは友達、メトロノームと一緒に演奏する

よく「メトロノームに合わせるのではなく、メトロノームを友達だと思って一緒に演奏する」と言われます。筆者も散々言われてきました。これはどういうことかというと、例えばメトロノームに合わせようとするとメトロノームを聞いてから弾いてしまうのでリズムが少し遅れてしまったりします。そうではなくお互いに自立した一つのリズム隊だという意識で「お互いの波長を合わせる」感覚が大事です。

周りの音を聞くこと

この記事を読んでおられる方なら、何か演奏活動とまではいかなくても人と演奏したり、曲に合わせて弾いた経験はあると思います。そういう時に、上記で口をすっぱくして言ってきた「自立」をできていたとしても、自分の演奏以外の音を聞かないとめちゃくちゃになります。そうです、自立できた後にやっと「周りと合わせる」という行為が大事になってきます。これは文字通り「頼る」のではなく「波長を合わせる」なのでガッチリ合わさった時はそれはもう超絶なグルーブ感が生まれます。

テンポキープについて

なぜテンポキープしたいのか?

テンポというのはBPMと呼ばれる曲の速さを表すものになりますが、これをキープすることをテンポキープと言います。よくテンポキープが大事と言いますがこれにはある前提がすっ飛ばされています。その前提とは「テンポキープしている状態がかっこいい(良い演奏である)」ということです。ということは、人の価値観は一つではないので完璧にテンポ通りじゃない方が好きな人ももちろんいるのです。つまり色々なテンポを感じて自分がどう思うかを知ることが大事なんですね。

あなたは曲に合わせてメトロノームを鳴らしたこと、ありますか?

既存の曲に合わせてメトロノームを鳴らすとぴったりにハマる場合があったり、どうしてもずれてくるものがあります。前者はクリックに合わせてレコーディングされたもので、後者はそうじゃないということなんです。ではどちらがいいのかというとどちらも良さがありますし「テンポが感覚で感じるのが難しい」という人はまずこういうことをやってみるのも一つの手ですよ。

人間なので機械のような正確さは無理、ただしそれが良さでもある

きっちりテンポ通りの音楽は、安定感があって聞いてて安心しますしカッチリした鋭角的なカッコ良さがあります。反対にテンポ通りではない揺らぎがある音楽は人間味のある暖かさが感じられますし、曲の細かい展開で表情をつけることができます。

最低限のキープ力は必要

「ロボットじゃないし!人間だから揺らいで当然!」といってもテンポが意図せずに揺れまくっていると、聞いている方はとても気持ち悪く感じてしまいます。体感ですがBPM10前後のズレをゆるやかな流れで変化していれば自然にかっこよい演奏になると思います。まただからこそ数小節間くらいはテンポを一定に刻める能力も必要になってくるんですね。

テンポが遅くなったか早くなったかを判断できるように

曲の中でも静かにゆったりとした方がいいところはテンポを少し落とす、逆に盛り上がるところは少しテンポを上げるように演奏されているものもあります。これを意図してやる分にはいいのですが最初は意図せず早くなったり遅くなったりしてしまうので、そうなった時に修正できるようにテンポが早くなったか遅くなったかの判別ができるようにする能力が必要となってきます。

まとめ

筆者が長年ギターを弾いてきて、またレッスンなどで多くの生徒さんを見てきて「リズム感という概念について理解していない人が多い」と思うことがたくさんありました。その理由はリズムは感覚で感じるものであり、頭で理解するものではないからであると考えています。個人的にそれについては全面的に同意しますし、最終的には感覚で感じ取れないとダメなのは音楽の全てに言えることだと思います。

ただ、その前の段階としてリズムがどういう仕組みになってるのか頭で理解するというのは決して悪いことではないと思います。それどころか「リズム感が悪い…」と悩んでいる人の助けになるのではと思い、今回の記事を執筆させていただきました。この記事で「そういうことだったのか」と思っていただける人が少しでもいれば幸いです。

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この記事を書いた人

大阪府東淀川区淡路で展開する「さかおギター教室」の代表であり、自身も講師として活躍している。またギタリストとしても関西を中心に活動中。今までに200人以上の生徒を指導、人当たりの良い性格とロジカルなレッスン内容で一人一人に合ったオーダーメイドなレッスンに定評がある。

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