演奏と記憶力の関係

日常生活で記憶力がよかったらもっと便利なのになーと思うことはたくさんありますよね。学生ならテスト、社会人なら仕事の業務、一瞬でぱぱっと覚えられたらめちゃくちゃラクですよね(^^)

で、それって音楽に関してもやっぱりそうなんです。

ギターの演奏にしたって、要は「失敗と成功を繰り返し記憶して、成功した部分のみを取り出す」という作業だと思うんです。もちろんこの考え方は決して音楽的ではないし、音楽の本質を考慮する場合はこの限りではないと思うんですが、こと演奏技術の話に限れば記憶力との関連はかなりあると思います。

また、ギターの演奏は手を動かすものなのでテスト勉強のような知識を暗記する記憶とは違って、一連の動きの流れを覚える、例えば自転車の乗り方や、車の運転の仕方を覚えるのうなものなのですが

こういうのを手続き記憶と言いまして、一旦形成されると長期記憶になりずっと覚えているものになります。

つまり、演奏の状態というのはこの手続き記憶を増やしていく事とイコールなんです。そのために何回も何回も反復する必要があるんですね。

その時に大事なのが、「正しい動きを記憶させる」ということです。いくら記憶を増やしていっても、それが間違っていればむしろ覚えたことはマイナスに働きます。

例えば車の運転の仕方を記憶し、何も考えずに勝手に体が動き、車を運転することが出来る人がいるとします。車の運転こそ慣れた感じでできますが、仮にそこに安全確認をするという動作が組み込まれていなければどうでしょうか?その動作が記憶に組み込まれている人よりも事故になる確率が上がってしまいますよね。

つまり演奏においても事故る(失敗する)確率が高いやり方を覚えてしまっていると演奏のクオリティが低くなってしまいます。

じゃあ正しいやり方を記憶させるにはどうしたらいいのか?ここで人間のイメージが必要になってきます。先程の事故る、失敗するというのはミストーンや、リズムの乱れなんかがわかりやすいと思うのですが、実はそもそもそれらをミスと感じてない人が多いんです!要は自分の中のイメージが低いのでそれで良し、としてしまうんですね。(これはこれで良いことでもあるんですが、詳しくは別記事で書きます)

そこでやるべきことは一つでそれは、素晴らしい演奏を聞いたり見にいったりすることで自分の中の演奏のイメージをレベルアップさせること、です!そしてイメージが出来てきたら次はしっかりそれを分析して再現すること。最初は難しくて再現出来ないと思いますがテンポを落としたりフレーズを簡単にしたりして確実に真似していきます。そうしていくことで自分のイメージを体現した自分の動きがだんだんと記憶され、上達していきます。

もちろんそれだけでなく、フィジカル的な問題もあるので日々の基礎練習も大事なのですが、この「イメージを明確に持ち、記憶を意識した練習法」を実践することで今よりももっとレベルアップ出来ると思います!

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この記事を書いた人

大阪府東淀川区淡路で展開する「さかおギター教室」の代表であり、自身も講師として活躍している。またギタリストとしても関西を中心に活動中。今までに200人以上の生徒を指導、人当たりの良い性格とロジカルなレッスン内容で一人一人に合ったオーダーメイドなレッスンに定評がある。

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